コレステロール値が低いと新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の重症度が高くなる

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)について、血液中のコレステロー値が低いほど、患者の重症度が高くなることが発表されました。(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1933287420300787)

この研究は、中国の武漢の病院にCOVID-19の診断を受けて入院した597名について調べています。データの比較検討のために、年齢や性別構成が同一になるような健常者50名を対照群として選んでいます。その結果は、上のグラフのように、COVID-19感染症の重症度が上がるにつれて、総コレステロール値、LDLコレステロール値が下がる傾向がみられました。HDLコレステロールについては、最重症の患者群でのみ低下する傾向がみられました。

コレステロール値の低下は、肝機能障害や低栄養状態、そして医薬品の服用時などにおきる病態です。総コレステロール値の正常値は、200±20 mg/dL ですので、CVOID-19感染患者の総コレステロール平均値の170mg/dL程度と低い傾向になっています。この傾向は重症度が増すにつれていっそう低下していることがわかります。

LDLの働きは、肝臓から全身の末梢組織へ細胞修復のために必要な栄養素であるコレステロールを運ぶことです。HDLは古くなったり余ったコレステロールを細胞から回収する働きをしています。よくHDLやLDLは善玉や悪玉のコレステロールと言われていますが、コレステロールという脂質を運ぶ役割を担うタンパク質で、コレステロールを運ぶ役割が異なるというだけで、どちらが善いとか悪いというものではありません。

LDLが低くなるということは、組織修復機能が低下している可能性を示唆しています。また、コレステロールには、他にも下記のような重要な働きがありますので、低下や欠乏状態となると免疫機能など身体の正常な機能は障害されるので、COVID-19への感染、重症度のリスクが上がることが考えられます。

コレステロールの働き
・細胞膜の構成成分
・神経細胞の機能を維持
・ビタミンDや性ホルモンなどの原料
・胆汁を作るための原料

今回の研究結果は、コレステロール値が低いとCOVID-19が重症化しやすいのか、COVID-19が重症化したためにコレステロールが下がったのか、コレステロール値の変化が原因と結果のいずれかであるかについての検証がされていません。しかし、採血を行なった時期が入院時であることから、COVID-19の重症化に伴ってコレステロール値が下がったと考えるよりも、コレステロール値が低いためにCOVID-19が重症化したと考える方が自然です。

因みに、コレステロール値を下げることに医学的根拠がないと2013年にアメリカ心臓病学会は、コレステロール摂取基準を撤廃しました。それに追従するように2015年に日本でも摂取基準がなくなっています。

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また、LDLを下げる治療には、心臓血管疾患やそれに伴う死亡に対する予防効果がなかったという論文が発表されています。(https://ebm.bmj.com/content/early/2020/08/23/bmjebm-2020-111413)

悪玉コレステロールと命名され、長い間悪者扱いされてきたLDLですが、ようやくその働きについて正しく理解されるようになってきたのかもしれません。コレステロールを下げる治療を受けている方は、慎重な対応をされることをおすすめします。

参考資料:満尾クリニックHP

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