意外に多い夏のぎっくり腰。その原因と対策

「ぎっくり腰」(急性腰痛症)と聞くと、寒い季節や冬場に起こりやすいというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。


しかし、実際には夏場もぎっくり腰を訴える方が多くいらっしゃいます。

その原因となっているのは、冷え・脱水・疲労です。

こんな日常を送っていないですか?

・冷房の効いた職場で長時間座っている
・汗をかくが、それほど水分補給しない(できない)
・日ごろから首や肩、腰の重さを感じる
・帰宅後も家事や子どもの送迎などで休む時間がない
・暑くて外を歩く機会が減っている
・夜になっても寝つけず、睡眠時間が短い
・朝起きても身体の疲れが抜けていない

このような毎日が続くと、やがて腰やお尻まわりの筋肉が固くなり、前かがみや椅子からの立ち上がり動作といった何気ない動きがきっかけとなり強い腰痛が出ることがあります。

ぎっくり腰は、重たい物を持ったときだけに起こるものではありません。「特別なことはしていないのに、急に腰が痛くなった」という方は、日頃の冷えや疲労、水分不足が少しずつ積み重なっていた可能性があります。

ぎっくり腰の体に起こっていること

気温の高い屋外に長時間いれば脱水と疲労が、冷房の効きすぎた室内に居続けると身体が冷えやすく筋肉が硬直しやすい状態になります。
筋肉が冷えている状態で急に立ち上がったり重い物を持ち上げたりすると、柔軟性の乏しくなった筋肉や関節に強い負担がかかり、突然の痛み=ぎっくり腰へとつながってします。
また、気温が高い屋外や屋内に長時間いると汗をかいて体力と体温が奪われやすくなります。体内の水分が減ると、血の巡りが悪くなり筋肉の柔軟性が低下し、筋肉の疲労回復も追いつきにくくなります。その結果、いつもなら問題ないような動作でも耐えられずにぎっくり腰になることも。
特に、立ち仕事・中腰・座りっぱなしが多い方は、腰に疲労が溜まりやすいので要注意です。

夏のぎっくり腰を予防するポイントは

体を冷やし過ぎない
冷房の風に直接当たらないように工夫をしましょう。体を冷やしすぎる原因となり筋肉が固くなるばかりか、内臓の機能の低下にも繋がってしまう恐れもあります。エアコンの他にサーキューレーターや扇風機を活用して室内を冷やすと体への影響は少なくなります。

湯船に浸かって筋肉を緩める
夏はシャワーで済ませがちですが、疲労回復や冷えた体には湯船に浸かるのがおすすめです。湯船に浸かると温かな温度が筋肉を緩め、お湯の浮力で筋肉や関節が休めりやすくし、水圧で血行が促進され疲れを取ります。ちょっとぬるめの38℃から40℃くらいの温度で10分~15分入るのがおすすめです。

適度な運動
暑いからといって運動不足が続くと、血の巡りが落ちて筋力も低下し、お身体の活力が下がってぎっくり腰のリスクが上がってしまいます。軽いストレッチやウォーキングなどでも、継続すると健康的な血流と柔軟性を維持しやすいです。

手のひら、足の裏を冷やす
手のひら、足の裏、頬には「動静脈吻合(AVA:Arteriovenous Anastomoses)」と呼ばれる動脈と静脈を直接つなぐバイパス血管が存在します。AVA血管は皮膚の表面近くを通る通常の毛細血管と比較して直径が約10倍と太く、大量の血液を短時間に通過させることができるため、体内の熱を外部へ放出する「サーモスタット(温度調節器)」の役割を担っています。そのため、AVA血管がある手のひら等を冷やすことで、冷やされた大量の血液が静脈を通って全身の循環に戻り、体内の中心温度である深部体温を効率よく低下させることが可能になります。冷水に両手のひらを5〜10分間浸すのが一番効果的ですが、冷やしたペットボトルや冷却パックを手に持ったり、頬や足の裏にあてたりするのも効果的です。
しかし、氷水などの極端に冷たい刺激(10℃未満)は、皮膚の寒冷反射が起こりAVA血管自体が強く収縮してしまい、逆に血流量が著しく低下するため冷えた血液が体内に戻らなくなるので、水温は10〜15℃程度が望ましいとされています。

東洋医学的にみるとぎっくり腰は

冒頭で述べた通り、ぎっくり腰の原因の多くは冷え・脱水・疲労です。
これは東洋医学的には体の中の気・血・水が滞っているか不足している現象です。体を健康的に運営するために必要なこれらの要素がしっかり巡れていないと体は不具合を起こしてしまいます。

セルフケアで予防できるものもありますが、急性期の激痛や繰り返すぎっくり腰、内臓冷えからくるぎっくり腰などは、セルフケアだけでは立ち行かないケースが多く、無理せずに治療を受けた方が治りが早いことの方が多いです。

当院の鍼治療

当院でのぎっくり腰に対する鍼治療は、痛む患部に鍼はしません。
気の流れ道である経絡や体の反射を利用した治療をするので、主に肘から手先にあるツボや膝から足部にあるツボに鍼をします。
鍼をする数が比較的少ないので、お体に過剰に刺激を与えない治療となっています。

夏場は屋外の猛暑と室内の冷房の温度差が激しいため自律神経の乱れも起こしやすく、胃腸の調子が悪くなったり睡眠の質が低下したり、痛みだけじゃなく日常の生活の質の低下にもつなりかねないです。

冷え対策、脱水予防、疲労回復はセルフケアできると思いますが、辛くなったら鍼治療を受けることをおすすめします。




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