朝、学校に行こうとして起き上がろうとすると体がだるい。
頭痛もするし、起き上がろうとするとめまい感がひどく、なんだか吐き気もする。
結局、その日は学校に行けずベットで寝ていたが午後になるにつれ徐々に体調が復調し
明日は学校に行こうと思っていた。
しかし、翌日も朝起きると体がだるい。
突然やってくる、このような症状の訴えは、新入学時期や季節の変わり目に現れやすい
とされています。
この場合、一般的な病院での診察や血液検査では異常が認められないことが多く、
繰り返し同じ様な症状を訴える場合、起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation略してOD)と
診断されることがあります。
小学校高学年から中学生くらいの思春期前後に多く、小学生で5%、中学生では10%くらいに
みられ、小児起立性調節障害診断・治療ガイドラインでは
「ODとは、自律神経系による循環調節機構の不全に基づく機能性身体疾患である」
と定義されています。
(画像:関西医科大学総合医療センター)
ODとは簡単に言うと、自律神経のバランスが崩れることで血圧が低下したり、
脳や全身への血流が維持されなかったりするために起こる体の機能の問題ということです。
ODの症状は、朝が起きられない、全身倦怠感、立ちくらみ、動悸、食欲不振、集中力低下、
頭痛・立っていると気分が悪くなる、気分不良、睡眠障害、失神発作、イライラ感など。
(画像:小中学生の子育てナビ)
特徴としては4つに要約されます。
①起き上がると脳血流の低下、低血圧、頻脈などが起こる(場合によっては低血糖も)
②小学・中学・高校生の思春期に発症しやすい
③午前中に症状が強く、午後から回復する
④心理的・社会的ストレスにより症状が悪化する
上記のような特徴は明らかにされていますが、なぜ発症してしまうかの機序については、
いまだ不明なことが多いのが現実のようです。
病院での治療は、生活指導・説得療法・薬物療法・心理療法などを行います。
ここからは僕の経験と私見ですが、血液検査をより細かく精査した際に、鉄不足や低血糖、
ビタミンBやタンパク質不足を認めるケースが多いとのことなので、栄養療法でかなり症状の
改善が見込めるのではないかと考えています。
(画像:新宿溝口クリニック)
あるクリニックでは水分と塩分を多く摂らせることを推奨しているところもありますが、
これは血圧を上げるためでしょう。
実際、病院では昇圧剤(血圧を上げる薬)が処方されます。
このようなケースで鍼灸師の僕ができることは、血圧を調整している自律神経のバランスを整えたり、
食欲不振で弱った胃腸の調子を整えたりすることです。
同じODと診断された子達も、話を聞いたり脈や舌の状態を診るとみな同じではありません。
その子の弱っている部分、場合によっては過剰に働いてしまっている部分にアプローチを
してゆきます。
あとは、血糖値の乱高下を引き起こしてしまわないように、お菓子や炭水化物の
摂り方のアドバイスや睡眠時の姿勢のアドバイスをします。
症状の改善まで数ヶ月で済むケースもあれば、数年かかってしまうケースもあります。
お悩みのお子様、親御様の心配の解決のお手伝いができればと思っています。
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